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2003
展開研究
2003年度前期
総合科学部超域科目

おことわり

このページは,過去の講義のページを,新しいウェブサーバ用に再構成したものです.


2002-2003年度展開研究は,無事終了しました.浅野担当の皆さんは全員合格です.おつかれさまでした.

超域科目について

総合科学部ウェブサイトに,「超域科目について」という記事があります.超域科目の趣旨や,展開研究のスケジュール,過去の実施例が掲載されています.

浅野担当のメンバ

  • 青山昌義 「日野原重明先生と長寿社会」
  • 足立知加 「少年犯罪の裏側」
  • 伊藤瞬  「スポーツと栄養」
  • 狗巻準治 「エルニーニョと伝染病」
  • 伊波沙耶佳「スチューデント・アパシー」
  • 上岡紗野香「アインシュタインの来日」
  • 上中尚美 「日本の森と日本人」
  • 浦部歩美 「変化する女性の結婚観」
  • 江藤龍弥 「マスメディアの影響力」

(題名は,開始時の仮題)

論文要旨の書き方

論文要旨は,下で述べている論文の構成の各部分,すなわち「たしかに」「しかし」「だから」を,各々1〜2文で書いたものです.論文要旨を読んだだけで,この論文が何を主張し,どういう結論を得ているのかが,本文を読まなくてもわからなければなりません.実際の研究論文の場合,研究者は限られた時間内に必要な論文を読む必要がありますから,まず要旨だけを読んで,本文まで読む必要があるかどうかを判断します.

ポスターの作り方

まず,過去のポスター発表の様子を,「超域科目について」のサイトで見て下さい.このようすを見てわかるように,ポスター発表の会場は大変混雑します.この人混みの中で,聴衆は各ポスターをながめながら歩いてゆき,おもしろそうなポスターがあったら発表者に話を聞いてみるわけです.

>ですから,ポスターは「ざっとながめただけで,おおまかな内容がわかる」必要があります.重要なことは,新聞の大見出しのようになるべく大きな字で書いて,聴衆の目にとまる必要があるのです.また,細かい字でいろいろ書いても読んではもらえませんから,ポスタに書く内容は厳選して,説明のために必要最小限にする必要があります.

論文の構成について

大学受験の小論文の書き方を,「たしかに,しかし,だから」と表現した人がいます.つまり,提示された問題文に対して「たしかに」と内容を認め,「しかし」と別の視点からの自分の見解を述べ,最後に問題文と自分の見解を総合して導き出される結論を「だから」で述べる,というわけです.

今回のような論文でも,大筋は同じです.問題文が提示されるかわりに,自分で決めたテーマをまず読者に説明し,問題点を明らかにします.さらに,著者が調査した結果を示します.これが「たしかに」です.次に,「たしかに」の内容に対して「私は○○の視点から見て△△と考える」といったオリジナルな考察を加えるところが「しかし」です.そして,これらを総合して結論や将来への展望を導き出すのが「だから」です.

論文の内容で一番重要なのは「しかし」の部分です.「たしかに」の部分ばかりが長くて「しかし」の少ない論文は,単なる調査報告で,読んでもおもしろくありません.自分の主張をはっきり盛り込むことが重要です.また,「客観的な事実」「誰かが言っていること」「自分が主張すること」をはっきり区別して書かないと,論文での主張が明確になりません.

「たしかに,しかし,だから」の構成を常に頭において,構成案を考え,論文を作成して下さい.構成案の例を下に書いてみましたので参考にしてみてください.下の例は,私が「日本人と居眠り」という論文を書く,と仮に想定したものです(私の「日本人と居眠り」についての考えについては,こちらの記事を見て下さい.ただし,この記事はあくまで仮説で,これだけの内容では展開研究としては調査不足です.また,記事のスタイルも論文にはなっていません).

1. はじめに
(いきなり本題を話されても「何の話をしているの?」ということになってしまうのは,ふだんの会話を考えてみてもわかります.まず,「何の話なのか」を簡単に説明し,読者に理解する準備をしてもらいます.)
 
2. 日本人の居眠りの現状
2.1  教室での居眠りー自分の経験から
2.2 ウェブサイトの調査
...
(「たしかに」の部分です.調査した内容を具体的に書き,次節で自分の見解を読者に理解してもらうための知識を提示します.)
 
3. 蛍光灯と睡眠
3.1 メラトニンについて
3.2 蛍光灯とメラトニン
...
(「しかし」の部分です.自分の見解を書きます.この例の内容の場合,自分で実験しているのが望ましいですが,そうでない場合,公開されている実験結果を出典を明らかにして引用し,その解釈を書きます)
 
4. まとめ
4.1 よい睡眠と効率のよい労働
4.2 より豊かな社会のために
...
(「だから」の部分です.導き出される結論,将来への展望を書きます.)
 
参考文献
(参考文献を列挙し,文中でその文献の内容に言及している場所に対応する番号をつけておきます.)
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