基礎数学演習I 線形代数学(5)
余因子行列と逆行列


行列式の展開の拡張と余因子行列

前々回の演習で,行列式の展開を説明しました.行列式|A|の第j列に関する展開は,i行j列に関する小行列式をDij,余因子をAijとすると,

となります.

では,j≠kのとき,

の値はいくらでしょうか?

ここで,行列式|A|の第k列を,第j列と同じ列ベクトルに置き換えた行列式|A'|を考えます.|A'|を第k列で展開すると,

となりますが,ここで第k列と第j列は同じですから,aik = aij (i = 1, 2, ... , n)で,

となります.ところで,|A'|には同じ要素の列が2つあるので,5月14日の演習で説明した定理の(5)によって,|A'|= 0です.

したがって,j≠kのとき,

となります.

 以上のことを行列で表示すると,第j行・第j列について

となり,他の行・列も考えると

すなわち,Eを単位行列として

とあらわせます.ここで,

で,余因子行列といいます.


余因子行列と逆行列

上の式から,|A|≠0のとき,Aの逆行列A-1は,

とあらわされます.



連立一次方程式の逆行列による解法





訂正

 講義中

を余因子行列としましたが,の方が余因子行列です.おわびし,訂正します.


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