私がコントラバスを弾きはじめたのは大学に入って交響楽団に入部したときです. なぜそういうことになったかというと, 大学に入って交響楽団でヴィオラがやりたいと思って行ってみたら, 「今年はヴィオラの経験者が3人も入ってきたから,君,ヴィオラをやっても 出世でけへんで.」といわれてしまったのでした.で,そう言った先輩がたまたまコントラバス奏者だったので,コントラバスをはじめることになったわけです. その人がチェロ奏者だったら,いまごろ私はチェロを弾いていたことでしょう.
その後いろいろな人に「なぜコントラバスを始めたんですか?」と 聞いてみましたが,
- 「それ以前にヘ音記号の楽器(トロンボーン,チューバ等)をやっていたと 言ったらこれ幸いと回された.」
- 「簡単そうだから.」(んーむ)
- 「楽器が楽団にあるので買わなくていいから.」
- 「体が大きかったから,有無を言わさず.」
- ...
消極的理由がけっこう多いです.もちろん, 「大学に入ったらオケに入ってコントラバスをやろう, と中学生の時から心に決めていた」という人もいました.
コントラバスを弾いていて嬉しかったことは,
- オケで後ろの方で弾いていても,第2ヴァイオリンのように埋もれてしまわないし,トップで弾いていても指揮者から遠いのであまりプレッシャーがない.
- 弾く所が少なく音符が粗いので楽.たまに細かいところがあると,指板の上を左手が走り回るので,ものすごい超絶技巧をやっているようにみえる.
- 大学合同オケの練習の行きかえりにコントラバスをもって歩いていると,遠くから見てもオケのメンバとわかるので,他大学の名前を知らない人とでもすぐ 話ができる.
- オケの曲を聞いている時「今,コントラバスが鳴っているかどうか」は必ずわかる.
で,悲しかったことといえば
- オケでトップで弾いていても,指揮者から遠いので演奏後握手をしてもらえない.
- 弾く所が少なく音符が粗いので退屈.たまに細かいところがあっても,どうせ弾けていても弾けていなくても聞こえる音は大して変わらない.
- 自分の車に楽器を積んで練習に行くと,帰りに飲みに行けない.しかし,私は酒を飲まないのでさほど問題ではない:-)
- オケの曲を聞いていても「今,コントラバスが何を弾いているのか」わからないことは多い.
といったところでしょうか(80%は冗談です.20%は...).