終戦の詔勅
惟 フニ 今後帝國ノ受クヘキ苦難ハ固 ヨリ尋常ニアラス
爾 臣民ノ衷情 モ 朕善ク之ヲ知ル
然レトモ朕ハ 時運ノ趨 ク所
堪ヘ難キヲ堪ヘ 忍ヒ難キヲ忍ヒ
以 テ萬世ノ爲ニ 太平ヲ開カムト欲ス朕ハ
茲 ニ 國體ヲ護持シ得テ
忠良ナル爾臣民ノ赤誠 ニ信倚 シ 常ニ爾臣民ト共ニ在リ
若 シ夫 レ情 ノ激スル所濫 ニ事端ヲ滋 クシ
或 ハ同胞排擠 互ニ時局ヲ亂 リ
爲 ニ大道 ヲ誤リ 信義ヲ世界ニ失フ カ如キハ 朕最モ之ヲ戒ム
宜 シク 擧國一家子孫相傳 ヘ確 ク神州ノ不滅ヲ信シ
任 重クシテ道遠キヲ念 ヒ 總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ
道義ヲ篤 クシ志操 ヲ鞏 クシ誓 テ國體ノ精華ヲ發揚シ
世界ノ進運ニ後 レサラムコトヲ期スヘシ
爾臣民 其レ克 ク朕カ意ヲ體セヨ
「終戦の詔勅」(玉音放送)の,最後の1/3ほどです(段落・改行・空白は原文とは異なっています).
「終戦の詔勅」は,前半は,「敗戦」を国民に受け入れさせるにはしかたないとは思いますが,どうも言い訳がましくて好きではありません.しかし,この,最後の部分は,とても気に入っています.
しばらく前に,「第2の敗戦」ということがよくいわれましたが,「第1の敗戦」の時の日本人にも,思いをはせてみたいものです.
ところで,このサイトの「開戦と終戦」のページに,「終戦の詔勅」の全文や現代語訳,玉音放送の音声ファイルなどがあります.また,国立国会図書館のサイトでは,日本国憲法の誕生という電子展示会が開かれており,このページには,国立公文書館所蔵の「終戦の詔書」の,現物の画像が展示されています.
私も,自分で,LaTeXとOTFパッケージ,nruby.sty,MacOSXのヒラギノ明朝フォントを使って,組版してみました(PDF).
将器
古の兵法書に曰く 将たる者の器
腹黒き人を見分け 危機を未然に察知し 能く部下を統率す
是れ未だ十人の将なり
早暁より夜更けまで軍務に精励し 言葉遣いも至って慎重である
是れ未だ百人の将なり
曲がったことを嫌い しかも思慮に富み 勇敢にして戦う気力旺盛なれば
千人の将なり
見るからに強く しかも部下将兵の労苦を思いやる心を持てば
一万人の将なり
有能なる人材を登用し 自らは日々怠りなく修養に努め 寛容にして仁義に篤ければ
十万人の将なり
人々を慈しみ 信義を以って 近隣諸国を心服させる
これぞ天下万民に将たる器なり
1996年の大河ドラマ「秀吉」での,竹中半兵衛の遺言です.以前,「出典が知りたいのですが,ちょっと調べてみましたがわかりませんでした.どなたか教えていただけませんか?」とここに書いておいたところ,「ショージ」様からメールで教えていただきました.諸葛孔明が書いたといわれている「心書」の中の,「将器」という文章だそうです.ありがとうございました.
数学の時代
You're coming of age in the 21st century. A century in which I promise you mathematics is going to play a starring role.
(おまえは21世紀の大人になるのだ.間違いなく,数学が主役になる世紀だ.)
アメリカのテレビドラマ"The West Wing"(邦題「ザ・ホワイトハウス」)で,大統領が娘に言うセリフです.娘は大学生で,娘が大学で数学をとっていないことを知って,大統領がこう言います.日本語吹き替えでは「数学をとれ.21世紀は数学の時代だ」となっていました.
実をいうと,私も大学生のころは,数学の重要性を理解していませんでした.そのあたりについては,「座感雑感」の「数学科のX君」をごらんいただければ幸いです.