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パターンスペクトラムとフィルタ最適化
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対象の画像に写っているものの形の特徴をとりだし,その特徴を損なわないように画像の雑音除去を行う研究です.特徴を抽出するために使われるのが,非線形画像演算の一つ「マセマティカル・モルフォロジ」を応用した「パターンスペクトラム」です.パターンスペクトラムは,まず何か簡単な図形(構造要素と呼ばれます)を設定し,構造要素を相似に大きさを変えながら「構造要素よりも小さな部分だけを画像から取り除くモルフォロジ演算」(オープニング)を行うことで,構造要素の大きさと取り除かれた部分の面積の関係を求める計算を行います.こうすると,画像の中に「どのくらいの大きさのものがどのくらいの面積を占めるか」がわかります.

本研究では,パターンスペクトラムを改造して「『画像をある細さの筆で描くとき,その筆よりも小さな部分の面積』を,いろいろな細かさについて求める」MOCS (Morphological Opening/Closing Spectrum)を定義し,非常に細い筆で描かないと描けない部分はノイズであるとみなして,そのようなスペクトラムが得られるように,画像からノイズを除くフィルタを調節します.こうすれば,ニューラルネットワークによる最適化とちがって,教師画像なしでフィルタを最適化することができます.

下の例は,左がノイズの乗った画像,中が最適化されていないフィルタの出力,右がこの方法で最適化されたフィルタの出力です.

 

劣化画像
最適化されていないフィルタ
最適化されたフィルタ
教師なし最適化の例.

 

おもな研究発表