7月15日 発表者:久米 裕子
もしも誰もが絶対音感をもっていたら
- 設定
- 絶対音感とは?...ランダムに提示された音の名前、つまり音名がいえる能力。また、音名を提示されたときにその高さで正確に歌えたり、楽器を演奏できることができる能力。
天性のものか、後天的なものかはまだわかっていない。記憶力がいいらしい(?)
- 絶対音感は先天性のものとする
- 絶対音感のレベル(正確さ)は生まれたときは全員同じだけど、訓練や周りの環境によって個人差がでてくる
- 考察
- 音楽を頭で理解するようになる
→音はただ無機的に蓄積される
→歌を聴いて感動することがなくなる
- 音楽家がみんな絶対音感をもっていたわけではない。
- 絶対音感をもっていても音楽には感動できる(絶対音感のある音楽家はどうするのか?)
- 譜面を完璧によみとれる
→誰もが同じ感じ方
→創造力や表現力の低下
→個性がなくなる
→音楽が発展しない
- 音楽療法がなくなる
→絶対音感をもつと少しの音の狂いも気になってくるので楽器を使ったり音楽をかけて治療することは無理だと考えられる。
- 絶対音感のメリットは?(グループディスカッション)
- カラオケがうまくなる(上手かどうかはともかく,音痴にはならない)
- 機械の音などに早く気付く
- 音楽の構成がわかりやすい
- 音痴にはならないと思う。音とかはっきりとれるようになるのでは?
- でも、絶対音感のレベルによって違うという意見も。
- 機械の音に早く気付けると故障のときとかに便利だと思う。
- 音楽の構成は確かにわかりやすくなると思う。
- ただオーケストラとかは国とかその楽団によって多少違いがあるらしい。絶対音感の人は1度記憶した音を忘れないらしい。だから他の国などに行って音楽をしたりするのには苦労すると思う。
- あと本に書いてあったことで、戦争のときとかに飛行機の音を記憶することで戦闘機か爆撃機かを判断したり、日本の飛行機か外国の飛行機かを区別したり、また高さを知ることができるので便利だという意見もあった。
- 絶対音感は自分に必要?
- 欲しい人の意見
- きちんと音がとれるので歌がうまくなる
- 音楽に携わるときには便利
- 音楽を楽しむ面がふえる、興味がもてる
- 欲しくない人の意見
- 聞く音が全部音符になるとうっとうしい
- 全部音がわかってしまうといやだ
- 今でも十分音楽を楽しめる
- 絶対音感があると少しの音のズレも気になって音楽を楽しめない
- 音が気になって他のことに集中できない
- 理論的になりそう(?)
参考文献
- 最相葉月 「絶対音感」 小学館
- 篠原佳年 「奇跡の「聴覚セラピー」」 PHP研究所
発表者の感想
- 私は絶対音感をずっと欲しいと思っていたのでこのテーマにしました。でも考えていくうちにデメリットがたくさんでてきて考え方が変わりました。絶対音感を持っている人の気持ちは実際私にはわからないけどいろいろな苦労があると思います。だから絶対音感という言葉の意味を考えていくなかでその人たちの気持ちを考えていくことも大事だと思いました。
発表のほうは本を参考にして考えたので前回のよりは自分の考えがうまくまとめられたと思います。
浅野の感想
- 私は,大学に入って管弦楽のクラブに入部し,そこで楽器を弾き始めました.部員には子供の時から楽器を習っていた人も多く,彼らが自分にはない絶対音感をもっているのを悔しく思っていました.参考文献の「絶対音感」という本に,「絶対音感を持っている人は,『絶対音感なんて音楽の能力とは関係ない』といいつつも,なんとなく自慢げだ」という分析がありましたが,私も管弦楽部でそれを感じていました.「音楽の能力と関係ないんだったら,トラックのバックブザーの音をいちいちドレミで言ったりするなよ」と.
- しかし,世間でいわれる「絶対音感」という言葉への反応をみると,絶対音感を「よくわからないが,なんとなくイイもの」あるいは「よくわからないが,なんとなくコマッタもの」というとらえ方をしている人が多いのではないかと感じます.
- このゼミで定義したような絶対音感とは,単に「音の周波数」と「音の名前」との対応がつけられる能力というだけのことです.カラオケを歌うときには便利ではありますが,情感をこめて上手に歌えるかどうかとは別問題です.逆に,絶対音感があるからといって音楽の情感がわからないというわけでもないと思います.良いほうにも悪いほうにも,過大評価しすぎではないでしょうか.