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人の感性と画像特徴量
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この研究は,名古屋女子大学准教授・浅野(村木)千恵氏の発案によるアイデアにもとづき,北海道教育大・藤本尊子教授のチームが官能検査・画像の取得等の実験を,浅野(村木)千恵氏が統計処理を,浅野晃が画像処理を担当するという広範囲の研究協力体制によって始められました。 以下は,浅野(村木)千恵氏の執筆による研究の紹介です。

これまで,「色」に対する人間の感性については,色彩心理学などの分野で数多く研究されています。しかし,同じ色であっても,それを構成する素材の違いによって人間が受ける感性は異なっていることは,意外に当たり前のように扱われその要因が解明されていないことが多いのではないでしょうか。たとえば,色彩としては同じ「黒」であっても,金属的な素材と布のような柔らかい素材でできているモノでは人間が感性によって受ける印象は異なります。金属的な素材には冷たさを,柔らかい素材には暖かさを感じます。これは人間の触覚と視覚の結びついた総合的な「知覚」が関係するのではないでしょうか?

これは,素材が類似した布地だけについても同じ様な事が言えます。良い服地は,その布地に触れなくても,見ただけで,それまでの経験から良い服地らしいという「知覚」を記憶した「視覚」によって判断がなされます。このように,視覚によって得られる情報には,なんらかの「質感」に関する情報も含まれていると考えられます。最近,この研究の一部として,礼服等に使われる黒い布について,布の物理的性質や人がその質感について感じる評価と,布の画像から画像処理によって得られる特徴量との関係を示しました。これを発展させ,画像の特徴量で質感を表現することをめざしています。

その後は,布に対する感性の研究を拡張し,モルフォロジによるテクスチャ操作を利用して生成したテクスチャに対する感性の研究も行っています。この方法では,複数の種類のテクスチャがもつ特徴を合成したテクスチャを新たに作ることができるので,作られたテクスチャに対する人間の感性を数値化することで,テクスチャのどのような特徴が感性に影響するかを調べることができます。

さらに最近は,色彩や図形と視覚感性に関する研究も進めています。これについては,「色彩・図形と視覚」のページをごらんください。

 

おもな研究発表

布と感性に関する研究

 

テクスチャ合成と感性に関する研究

 

テクスチャと感性に関するレビュー講演

 

参考・浅野(村木)千恵氏の関連する論文